最後に注意しておきたいのは、レーザーの危険性である。薬と同じで、効果のあるものは必ず危険を伴う。元来レーザーは鋼鉄でも焼き切るほどの強力な光線である。医療用にはそれなりに設定されていても、たとえば目に入れば完全に失明する。治療に関わるものすべてが防護眼鏡をするのはそのためである。また、反射光を防ぐために、部屋は遮蔽されなければならない。また引火性のものがそばにあってはならない。器械の調整も熟練を要する。未熟者による傷痕、ヤケドなどが後を絶たないのはそのためである。レーザーはたとえ美容目的でも、医療用具と規定し、扱う者の資格制度が検討されるべきと思う。一口にレーザーといっても、さまざまな目的にあわせて、いろいろな機種が用いられ、しかも年々新しい機種が開発されているから、その効果とリスクを十把一絡げで論ずるのは意味がない。ただ、いままで手術に不向きだった色の薄い血管腫や色素性母斑にかなり有効なことがわかってきた。しかしまったく跡形無く消えるわけではない。いくら選択的といっても、組織を破壊することにはなるので、色を完全に取ろうとすればするほど、傷を残しやすい。痕を残さないようにすればどうしても、アザがある程度むらに残ってしまうのはやむを得ないかもしれない。また白人の皮膚と違い、日本人の皮膚はケロイドになりやすく、治療のための色素沈着や色素喪失を起こしやすいので、十分な注意が必要である。そして、いくら精巧に作られていても、器械は器械である。思わぬ故障もあるし、出力にむらを生ずることもある。レーザーを扱う美容外科医は、それなりの知識を持ち訓練を受けるべきだと考えている。